日本工業規格によれば、適正包装とは、エコを意識し、廃棄物の減少を志向した包装のことです。しかしそこに意識が集中するあまり、内容物の保護を疎かにしてはなりません。輸送中には振動の影響を受けたり、衝撃を受けたり、水に浸かったり、湿気に曝されたりすることがあります。それでも内容物の品質を保持するだけの包装が強く求められるのです。もちろん過大包装、過剰包装は消費者を欺く行為であり、許されません。これらの条件をすべて満たした包装材でなければ、流通すべきではないのです。
ところで包装について疑問に思うのは、いわゆる「詰合せ包装」の場合、基準を満たせるのか、というものです。実は詰め合わせに関しても、条例で細かく規定している地域があります。また、食品、医薬品の包装に関しては、より細かな規制が、各レベルで行われています。食品衛生法や薬事法の理念に則れば、容器や包装材も、食品と同レベルの基準が適用されることになります。例えば、容器、包装には必ず添加物が使用されます。その添加物は内容物である食品に触れるわけですから、食品添加物の一種と見做されるわけです。具体的には、食品安全基本法等で定められており、基本的な理念はもちろんのこと、国や地方自治体、企業の責務を明らかにしています。食品衛生法では、食の安全に直接つながる基準を規定しています。例えば、輸入食品の安全性、農薬の残留に関するものがそれに当たります。
包装材、容器の材質については、その溶出が問題とされます。有毒な物質が食品に移行してはならないからです。つまり、材質試験、溶出試験をクリアしていない包装材は、販売することが出来ません。もちろん有毒物質は容器自体からだけではなく、外部から侵入する可能性もありますから、それを許してしまうような包装材も合格には至りません。